東京事変
音楽が好きな方なら、その名を聞いたことがあるのではないでだろうか。
公式HP 黒猫道 特設ページから引用
椎名林檎がソロ活動を一度ストップさせ、自身の新たな音楽活動として選んだバンドだ。
バンドメンバーは写真左から
ドラム 刄田綴色
ベース 亀田誠治
ボーカル 椎名林檎
ギター 浮雲
キーボード 伊澤一葉
2020年に『再生』と題して活動を再開し、最近話題になっている。
僕の周りでも作品を聴いてみたい!という声を多く聞く。
けれど、どのアルバムから聴いたらいいのかわからないという方も多いのではないだろうか?
今日はそんな皆さんに
『東京事変のおすすめアルバム作品』
を紹介していこう。
東京事変のおススメアルバム!
第5位 教育 (1st アルバム)
記念すべき東京事変としての1stアルバムがこの『教育』
初期メンバーのH是都M(キーボード)、書海幹音(ギター)が在籍していた頃の作品。
ファンの中では、このアルバムこそが東京事変という声も多くある様な一枚。
元々椎名林檎のソロツアーである『雙六エクスタシー』から結成されていたバンドで、翌年に東京事変としてデビューし、この『教育』を発表する。
多岐に渡るジャンルをまたいだ楽曲が作品内に散らばっており、技術やパフォーマンスに長けたメンバーの個性も爆発しています。椎名林檎曰く『おもちゃ箱をひっくり返した様な作品』に仕上がっている。
その為、現在のポップなイメージがある東京事変とは違い、どちらかというと初期3部作(無罪モラトリアム、勝訴ストリップ、加爾基 精液 栗ノ花)を制作した頃の椎名林檎の音像を踏襲している感がある作品。
大衆的に寄り添いポップでありながらもオルタナティブロックな要素も用いており、ソロで一度自分のできる音楽をやりきった椎名林檎が、新たな表現方法としてバンドを選んだマインドが感じられる一枚だ。
ファンなら間違いなく愛している『群青日和』をはじめ、『遭難』『駅前』『御祭騒ぎ』『母国情緒』など、おススメ曲が散りばめられている。
第4位 娯楽 (3rd アルバム)
第4位は、バラエティ番組のひな壇にメンバーが座っているジャケットが印象的な『娯楽(バラエティ)』
このアルバムは前作『大人(アダルト)』から一転した印象の作品となっている。
リズム感、楽曲の構成、音楽ジャンル、変幻自在の演奏、全てが掴みどころがなくメンバー自体が音楽制作において楽しんでいる様な作品。まさにバラエティに富んだ1枚。
今回、椎名林檎は他者が持ち寄った楽曲で存分に歌唱したいとの意向で、作曲には参加していない
1曲だけを除き、残りは全て伊澤一葉と浮雲の作曲となっている。
この2名は『教育』でデビューした初期のメンバー(H是都M、書海幹音)と音楽性が異なるせいもあってか、当初のファンからは加入に対して様々な声があがっていた。
しかし今は第1、2期と共にファンから愛されており、やはり彼らの実力と音楽に対する気持ちがファンの気持ちを高めていったという印象。僕は7人のメンバー全員が大好きだ。
『娯楽(バラエティ)』に収録されている『OSCA』『某都民』(浮雲作曲)はライブではファンから大きな歓声やレスポンスなどがあり、『SSAW』『キラーチューン』(伊澤一葉)などは彼しか書けない曲だと個人的に感じている。
結果的にメンバーの個性が、存分にして自由に発揮されたアルバムがこの『娯楽(バラエティ)』なのではないだろうか。
僕が個人的によく聴く曲は『私生活』『OSCA』『黒猫道』『某都民』『SSAW』。
一周通して聴きなおすと、新たな発見がある楽しいアルバムだ。
第3位 大発見 (5th アルバム)
第3位は、現状で東京事変としての最後のフルアルバムとなっている『大発見』。
この作品のテーマは椎名林檎曰く『東京事変のスタンダード』。
活動を起承転結で喩えるなら、起の『大人』、承の『娯楽』、転の『スポーツ』。
そして東京事変の活動として総括した結である『大発見』
椎名林檎でよく登場するシンメトリー表現を用いて、作中の楽曲タイトルは副題を除くと全て全角7文字に揃えられている。
作曲も刄田綴色以外の4名がクレジットに名を連ね、まさに全員で力を結集させて制作された作品となっているのが特徴だ。
個性的なプレイでバンドには無くてはならない存在のドラムの刄田綴色も、ベース亀田誠治と要所を抑えるイメージで意見を出し合い、グルーヴをつくりあげていったと話している。
『スポーツ』で重要視された感覚的なイメージとは異なり、求める音像に対して個々が力を合わせていった作品となっている。
ベース亀田誠治の「作品の為であれば奴隷になる」という言葉が表す様に、最高の東京事変を目指して作られた結晶がこの『大発見』。
とはいえなぜ僕がこのアルバムを3位にしているか。
それは上記で解説した通り、総集編という位置づけになっている為、ある程度東京事変の音楽に触れてから耳にしてほしいと思っているからだ。
フルアルバムとしてはこの作品を最後に、東京事変は一度解散する。
いきなり『大発見』を聴いてしまうと、彼らの意図や音楽性が深く解釈できないまま作品のイメージがイマイチ…となってしまう可能性がある。
この作品は聴き込めば聴き込むほど味が出てくる音であり、一度ハマると抜け出せない沼だと考えている。
そんな中での個人的おススメ楽曲は『新しい文明開化』『電気のない都市』『恐るべき大人たち』『かつては男と女』『空が鳴っている』。
第2位 大人 (2nd アルバム)
第2位はこちらのアルバム。『大人(アダルト)』です。
パッケージから伝わるアダルト感。この作品はロック、ジャズ、ファンク、ボサノバ、ソウル、ポップなど様々な視点からアプローチされた楽曲が詰まっている。
まさに超絶技巧バンドである、東京事変だから再現できる音とグルーヴを備えたオトナな作品。
1stアルバムの『教育』でも同様に様々なジャンルからのエッセンスを用いた楽曲づくりがされており、云わば剥き出しの東京事変という印象を受けた。
対してこの『大人(アダルト)』は、より濃密にパッケージングされ仕上げられた様な美しさを感じる。
新メンバーの浮雲は1日前にレコーディング入り、伊澤一葉は腱鞘炎により一ヶ月遅れでの入りとなったというエピソードに、驚く程の完成度になっている。
椎名林檎はこのアルバムが東京事変としての実質1stアルバムと語っている(1stアルバムの『教育』は椎名林檎がもともとツアーで組んでいたメンバーが、そのままバンド名をつけただけの様な形だった為)
個人的にベースの亀田誠治が作り出すグルーブ感溢れるラインが大好きな作品。
おススメ楽曲はたくさんあるのだが、アルバムを通しての一連の流れこそが最高と感じる贅沢な一枚。
強いて言うのであれば僕のおススメは『秘密』『スーパースター』『修羅場』『ブラックアウト』『透明人間』『手紙』だ。(多い)
第1位 スポーツ (4th アルバム)
1位はファンから人気の高い『スポーツ』。
このアルバムは意図した音作りではなく、自然に「鳴ってしまった」「声が出てしまった」という感覚になる事を目指して制作された。
つまり理論的ではなく、5人の音楽家としての本能による楽曲作り。
前回の作品である『娯楽』の楽曲は、第二期メンバーの伊澤一葉と浮雲によるアプローチが目立った作品だったが、このスポーツで二人は大きな変化をしている。
加入当時は「絶対に歪ませた音で弾くものか」とギターの音色に自分の強いこだわりを持っていた浮雲。
彼は椎名林檎の要望により、この『スポーツ』ではテクニカルなスタイルと共に、パワーコードや激しく歪ませたサウンドを魅せるなど、確実に作品の為の変化を魅せた。
同時に伊澤一葉は、レコーディングにおいてはピアノの音だけにこだわらず、キーボーディストとしてアレンジや演奏面における新しい視点から、包括的に取り組んでいった。
この作品の中で一番作曲数が多いのは彼の楽曲となっている。
この様に前回の『娯楽』で新しい事変としての実験は終了し、現状のバンドが出来る事を最大限発揮させたのがこの『スポーツ』だ。
その為、サウンドも骨格が仕上がり切った様な印象を受け、結果的に聴き手が音を感じ取りやすい作品になっているのが特徴。
東京事変の楽曲は奥深く、何度も噛み締めた後に発見や味が出てくる物が多いが、この『スポーツ』の作品は初聴でピンとくる物が多いのではないだろうか。
個人的おススメは『シーズンサヨナラ』『雨天決行』『能動的3分間』『絶体絶命』『スイートスポット』。まさに能動的な楽曲が揃った、傑作。
キャッチーで聴きやすい曲が多いので、この『スポーツ』はおススメだ。
いかがだっただろうか。
8年間の間に5枚のフルアルバムを発表し、バンドだけではなく日本の音楽シーンに圧倒的な存在感を放った東京事変。そんな東京事変のおススメ作品を紹介してきた。
そんな東京事変もこの2020年に復活を遂げた。
また彼らの音楽に触れることが出来るなんて、幸せでならない。
今度は、僕たちにどんな音楽を聴かせてくれるのか。
まずは、新作である『ニュース』をチェックして、今後の動きを待つことにしよう。
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