今回はABLE CARRYから提供してもらった「Daily Backpack」を、通勤やオフなど日々実際に使用してみた感じを紹介したい。
まだ日本ではあまり知られていないこのバックパックが、普段の生活にどのように馴染むかを中心にレビューしていく。
【ABLE CARRY】Daily Backpackの基本情報
Daily Backpackはどんなバックパック?
まずこのDaily Backpackの基本情報から。ABLE CARRYは2018年に生まれた香港のバックパックブランド。
創業者のサラリーマン時代における経験で感じていた「通勤時におけるバックパックの重さ」を解決する為に生まれたのがTHE DAILYシリーズ。日本ではまだ殆ど馴染みがないブランドで、僕も正直全く知らなかった。
プロダクト立ち上げ時のクラウドファンディングによる資金調達で、目標金額HK$150000(日本円換算では約209万円)に対し、HK$360768(約500万円)で達成している。その期待値の高さからも、なかなか注目のプロダクトだったことが伺える。
オーストラリアのバッグ総合情報サイト「Carryology」にも推されていて、デザインや機能性が評価を得ていた様だ。因みにこのサイトは世界の様々なバックパックがレビューされており、非常に見ていて面白いサイトになっている。ぜひチェックしてみてほしい。
そしてその特徴としては、特筆した背負いやすさと軽さを感じる仕様。後々紹介していくが、本当に背負いやすいバックパックだと感じている。
Daily Backpack 本体スペック
【本体サイズ】
・高さ48cm 横幅28cm 厚さ19cm 重量900g
・15インチのノートPCまで収納可能
・容量20L
・素材表面 X-PAC(VX51)コーデュラナイロン(500D)
・本体価格 22,780円(記事内の直販サイトリンクは、16,000円で購入可能)
【ABLE CARRY】Daily Backpack 良かったポイント
非常に軽く背負いやすい
このバックパックを使用して一番感じた点が、この背負いやすさだ。とにかく背中にフィットして、軽く感じる。PCを持ち歩き8割ほど中身を入れていても、不思議な事にいつも感じている様な重さを感じない。
僕が使用しているアークテリクスのグランヴィルやマンティス。この2つのバックパックは本当に優秀だ。妻とシェアしながら長い間、僕のメインバックパックとなっている。
グランヴィルの重量は750gでマンティスは865g。対してDaily Backpackは900gなので、特別軽いとは感じないだろう。1kgを切っていれば優秀だと思うが、プロダクトの着想を得た「通勤時の軽い背負い心地」が、重量へ最大限に反映されているとは思えない。
しかしこのDaily Backpackの軽さは数値上の重量スペックではなく、実際背負った際に初めて実感できるものだった。
このバックパックにはA-Frameという設計がなされており、ショルダーハーネス部のストラップが底部まで1本で繋がっているのだ。
この様にバックパック底部までハーネスのストラップが伸び、A字型に固定されている。他には無い珍しいデザインをしている。
この設計が施された事で、まるで下から手で支えてもらっている様な感覚で、荷物が軽く感じる効果が生まれる。
公式サイトの宣伝にもあるが、まるで無重力のような「重さを感じない」設計になっている。尚且つこの底部に配されたストラップがバッグ自体の揺れを抑え、振動により感じる重さも軽減してくれる。
こういった効果により、900gというスペック数値以上にかなり荷物が軽く感じ、非常に心地よく背負えるようになっている。実際このDaily Backpackを日常生活で使用して感じたのは、本当に背中にフィットしながら密着してくれる様な心地よい背負い心地。
妻ともシェアして、一番に声に出して感想を話し合ったのは「軽さと背負いやすさが、はっきりと感じられる」という事だった。重さを感じないというバックパックという特徴は、性別問わず求められる重要なポイントだ。(画像手前バッグはThirteen Daybag)
日常に丁度良い収納力
このDaily Backpackは容量20L。グランヴィルが16Lでマンティスが26Lだったので、丁度中間の容量だ。製品名にもなっている通り、毎日の使用に丁度良い容量だ。
大きすぎず小さすぎず、絶妙な容量。何かと持ち物が多くなる忙しい毎日も、20Lであれば安心できる。
正直16Lのグランヴィルはデザインこそ秀逸だが、ある程度自身の持ち物を収納した後に、ショッピングやモノを受け取ったりすると、なかなかバックパック内に入らない事があった。尚且つせっかく良いデザインをしていたので、モノでいっぱいになる使い方は野暮だ。
しかしこのDaily Backpackであれば「あと少し欲しい」という、使用者のわがままに応えてくれる様な使い方ができた。ノートPCやその他のモノを入れたりしていても、まだ余裕がある。この余裕が日常に快適性を与えてくれ、使いやすいバックパックのイメージを日に日に与えてくれる。
防水性能が高い
このDaily Backpackは素材としてX-PAC仕様、そしてコーデュラナイロン仕様が施されている。
X-PACはバックパック好きの方にはお馴染みかもしれないが、ヨットの帆を製作しているDIMENSION-POLYANT社が開発した素材。耐久性や防水性、軽さに優れている。
X-PACは下記記事のBRIEFING TRANSITION BAG XPでかなり便利に感じていたので、今回も使用してみたくなった。とにかく汚れがすぐに拭き落とせ水にも強いので、アクティブに活動したい休日などによく利用している。
コーデュラナイロンはアメリカ軍用規格であるミルスペックを満たした強靭な素材。こちらも防水効果や耐摩耗性が高い心強い素材。
よくあるX-PAC素材のプロダクトの様に、素材が表面に出ているとどこかアウトドアや機能面を全面に出した印象が強くなり、場所やコーディネートを選ぶようになってくる。
しかしこのDaily Backpackは複層構造になっており、X-PACの表面にコーデュラナイロンを施している。その為、機能面は信頼できながらある程度自然なデザイン性を残してくれている。こういった表面デザインであれば、日常の様々なシーンに調和しながら使用でき、尚且つ街の悪天候にも対応してくれる。
そして各部ジップは止水ジップになっているので、外部からの水分の侵入を防いでくれる。
これはグランヴィルにも施されているが、本当に心強い仕様だ。因みにグランヴィルの止水ジップはかなり固めにできており、片手で開けるのは少し苦労する。
しかしこのDaily Backpackのジップはストラップが付いているので、少しの力で楽に引くことが出来る。これは女性にも嬉しい仕様だ。
毎回行っている耐水実験。今回もバックパックを派手に濡らしてみた。
5秒程度表面に水をかけたが、やはり素材がかなり強固な仕様なので、中に水分の侵入は無かった。
表面も軽くふき取るだけでほぼ乾いた状態になるので、街で急な雨に降られた場合などは安心できる。こういった日常のシーンに上手く対応してくれる部分も、嬉しいポイントだ。
他のユーザーとの差別化
前述したとおりこのABLE CARRYがリリースしている各シリーズは、未だ日本で知名度が高いとは言えない。寧ろバックパック愛好家でなければ、知る人は少ないのではないのだろうか。
そういった点を考えると、ファッションにバックパックを取り入れるスタイルが一般化した現在の日本おいて、他のユーザーと差別化を図ることができると考えている。
メインで使用しているグランヴィルは各サイトでよく品切れしているし、マンティスはかなりのユーザーが愛用している。街を歩けば自分と同じバッグを背負っている人を見る事も自然と多く、それだけファッションは飽和している。
そんな中で自身にちょっとしたオリジナリティや特別感を演出してくれるプロダクトと考える事も出来るし、その良さが知られていなければ自分が発信者となる事も可能だ。こうした点で、他ユーザーと差別化を図ることができる点は、よい部分だと感じた。
機能性と価格のバランス
最後に大事な点である価格だ。このDaily Backpackは日本正規代理店の通販で、X-PAC仕様だと22,780円。以前マンティスの価格が18,600円で非常に優秀だと紹介したが、このDaily Backpackも実に機能性と価格のバランスに優れている。
バックパックに最も求める背負い心地はしっかりと高機能を有し、その他のデザインや仕様も申し分ない。
これだけの条件が揃っていながら22,780円という価格は、ユーザーが手に取りやすい価格帯設定だと思う。僕自身も今回使用してみて、間違いなく長く使えるバックパックだと感じており、今後もこのABLE CARRYにどんなラインナップが登場するのかが楽しみだ。
因みに今回僕が提供していただいたABLE CARRYの下記直販サイトでは、Daily Backpackが香港での販売価格16,000円(148USD)で購入可能だ。これは日本代理店では販売されていない直販サイトだけの価格なので、ぜひチェックしてみてほしい。
【ABLE CARRY】THE DAILY-XPAC 各部紹介
外観デザイン
それでは各部を紹介していこう。まず正面から見た写真。光沢のあるブラックではなく、落ち着いた深いブラックカラーが、日常にフィットしてくれそうだ。
こちらは背面部。背中のメッシュは通気性の良いエアメッシュパッド。
衝撃を和らげるとともに、くぼんだ箇所から熱気を外部に逃がしてくれる。バックパックのデメリットである背中蒸れも、ある程度は軽減する効果が期待できる。
ショルダーハーネスは幅広に作られており、肩への負担を減らしてくれる。
チェストストラップも付属していて、安定した背負い心地を更に向上させることもできる。
サイドからみるとこのような感じ。マンティスやグランヴィルはや膨らみを感じるフォルムをしているが、このDaily Backpackは下に重心が来ている様なフォルム。特別太くは感じない部分がスマートだ。
卵型のフォルムが自立性を生み、モノを入れていなくても安定した状態を保ってくれる。
A-Frameのストラップはバックパック底部まで繋がっており、周りはXPAC仕様が施されている。
このA-Frameのおかげで、バックパック底部が垂れ下がる事無く、自然なフォルムを保ってくれる。
腰回りにあたるストラップは、自転車のU字ロッカーなどを引っかける事ができ、フレキシブルに動く現代の生活に合わせた仕様になっている。
各部収納をチェック
外側に2つ、内側に4つ、隠しポケット1つを加えた、合計7つの便利な収納部をチェックしていこう。
①フロントポケット
まずフロントのポケット。こちらは主にケア用品などを入れている。
ペットボトルが3本ほど入る容量なので、スペースは結構広めに出来ている。内部にリングストラップがあるので、紛失したくない貴重品や鍵などはここに付けておくと便利だ。
②メインポケット
20Lの多くを占めるメインポケットは収納力充分。
内側が滑らかな生地になっている部分も手入れがしやすそうだ。主にここに飲料やステーショナリーポーチ、ガジェットポーチなどを入れる事が多い。これだけ入ってもまだ余裕がある部分が、20Lという容量の強みだ。
③内部スリーブ・大
内部に配された手のひら大ほどのスリーブ。
個人的にここにはヘッドフォン等を収納している。ガジェット等は他の固い物と接触すると傷つくことが多いので、こういったざっくりしていながら独立性も保たれた感覚が使いやすい。汎用的に様々なモノを収納できるポケットだ。
④内部スリーブ・小
そのスリーブの隣には指が4本程度入る小さなスリーブがある。
ここは恐らく小型の折り畳み傘などを収納する場所として設定されていると思うが、僕自身はここにWALKMANを入れている。こういった細長い小物が丁度よく収まる大きさと取りやすさが便利に使えている。
⑤PCスリーブ
15インチまでのノートPCが収納できるスリーブ。
グランヴィルと同様にPCスリーブの底部がバックパック底部に直接触れない様になっているので、衝撃を受ける不安も少ない。
⑥メッシュポケット
メッシュポケットにはガジェットやコードなどを入れるのに重宝しそうだ。
雑多なものでもメッシュなので、すぐにアクセスできるような感覚が嬉しい。その両脇には小さなペンポケットが配されている。
⑦隠しポケット
メインポケットの上部分、背負った状態だと丁度首にあたる部分に、隠しポケットがある。因みにここも止水ジップが施されている。
ここには財布やパスポート、貴重品や細かいガジェット小物を収納するのに適している。個人的に財布はすぐに手に取りたいので未だ使い道は定まっていないが、人目に付かずに目立たない小さなポケットは、持ち主の安心感を上げてくれる良い収納だ。
【ABLE CARRY】Daily Backpack 残念だったポイント
繊維ゴミが付きやすい
X-PACとコーデュラナイロン仕様で防水性能が高いDaily Backpackだが、数日使用してストレスに感じた点に、ほこりやゴミの付きやすさがある。
X-PAC表面にコーデュラナイロンが施されており、使用中はどこか繊維系のゴミが付きやすかった。その為、洋服を選ぶ可能性が出てくるかもしれない。
尚且つ我が家は猫を飼っている為、1日部屋に置いておくだけでかなり猫毛が付着する。
このケアの手間は、正直ストレスに感じる事が多かった。毎日使用したいようなバックパックであるからこそ、こういった点がやや残念に感じた。
ウォーターボトルポケットが無い
これは小さなポイントなのだが、マグボトルやペットボトルを収納するポケットがありそうで無い。メインポケット内にある小さなポケットがもう少し広ければ入りそうなのだが、入らない。
デイリーバックパックという名が付いているのであれば、マイボトルを暮らしに取り入れる人が増えている今の時代に合わせた仕様になっている事を、少し期待していた。メインポケットにざっくり入れているが、このバックパックの特性を考慮すると、あった方が便利だと感じた。
【ABLE CARRY】Daily Backpack は良質なシティバッグだ
という事で今回はABLE CARRYのDaily Backpackを紹介してみた。実際、通勤や休日に使用してその良さを実感した僕としては、メインバックパックであるグランヴィルと良い勝負ができるプロダクトだった。日々の「重さ」から解放されるような背負い心地は、やはりデイリーバックパックとして大きなメリットだ。
まとめてみると
・背負いやすさと軽さを感じる様に作られた機能性
・日常の環境変化に対応できる防水性能
・通勤やオフに丁度良いバッグ容量
実際に使ってみて大きく感じた面は、こんなところだ。
背負っていて間違いなく目立つプロダクトだと思うし、アーバンスタイルや日々の生活ニーズに応えてくれる機能性がユーザーの所有感を高めてくれる。今後更にこのDaily backpackを使い倒し、便利なデイリーユースプロダクトの良さを改めて発信していきたい。
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