今の時代に猫を飼育するにあたっては、完全室内飼いが基本とされている。
家で飼育された猫は、基本的に外で生き抜く能力を持っていないからだ。
日々暮らしていれば、どうしても外に脱走してしまう状況などがあるかと思う。
そんな危険を防ぐ脱走防止策として、我が家では猫脱走防止扉をDIYで作製した。
愛する猫に安心して暮らしてもらう為のDIYを、今日は紹介していく。
猫の脱走防止環境を作る
我が家は1匹の猫「こむぎ」と共に、賃貸に住んでいる。
廊下から玄関に繋がる内階段があるのだが、猫が生活の中で廊下に出ると、自然に玄関にも足を運べる様な作りになっている。
この場合、飼い主が帰宅した場合に猫が玄関先にいると、脱走してしまう危険性が大きい。
そこで今回、階段と廊下の境目に脱走防止扉をDIYすることにした。
なぜ既製品を買わずにDIYするのかという理由については、インテリアに馴染みが薄いデザイン性の物が多いからだ。
既製品であれば、当然「家の環境や構造に合う製品」を探さなくてはならない。
尚且つ環境に対して割高なイメージで、満足感も薄い印象。
その点DIYであれば、「自宅環境に合わせにいく」事ができる。
そして何といっても、原状復帰や引っ越し時に新居で再現性が高い事も魅力。
この後紹介する工程や材料を見てもらえるとわかると思うが、柱となる木材を取り換えるだけで、環境が変わっても同様に設置可能な部分が嬉しい。
脱走防止扉DIYに必要な道具
①2×4材
扉を自立させる為に、両端に柱となる木材が必要になる。
これまでのキッチンや洗面所のDIYで何度も使用したが、今回もしっかりとした2×4材を使用。
ホームセンターで、自身のDIYに必要な長さにカットしてもらう。
②ラワン材
こちらもホームセンターで購入する、加工しやすい木材。
今回は細すぎず太すぎずの、18×18mmの太さを使用。こちらもホームセンターで希望の長さにカットしてもらう。
この木材を長方形にビス止めしていき、扉の外枠を製作する。
③ラブリコ
DIY好きの方にはお馴染みのアイテム。
柱の役割を果たす木材(2×4)を、ジャッキで突っ張る役割を果たす。
これがある事で2×4材が天井と床に固定され、安定する仕組みだ。
④トリカルネット
こちらは園芸用として主に使用される、トリカルネット。
適度な柔らかさと軽さがあるが、引き裂きなどに強く人間の力で裂ける事は無い。
猫はパニックになって網戸にぶつかると、最悪網戸を突き破ってしまうそうだ。
このトリカルネット、見た目は網戸の様に見えるが全く頑丈さが違う。
記事最後にこのDIYの模様を発信した動画があり、そちらであれば質感がわかりやすいかと思うので、ぜひチェックしてほしい。
網目の細かさは様々な種類があり選べるのだが、販売しているホームセンターで販売している物を購入してみた。
因みにネットでも購入できるが、ホームセンターと比べものにならない位高価なので、ホームセンターの切り売りで購入するのがおススメだ。
⑤キャスター、丁番、マグネット、電動ドライバー
扉と両脇の2×4材を取り付ける丁番。
扉を稼働させるのに必要なキャスター。(こちらは走行方向が旋回する自在式を購入)
そして扉のストッパーのとして、マグネットを購入してきた。
電動ドライバーやビスを用意しておこう。
マキタの電動ドライバー。ここ最近DIYをして思うのだが、マキタにしておいて良かったと思う位、初心者でも使いやすい。
パーツ類も多くAmazonで手に入る為、かなりおススメだ。
猫の脱走防止扉 DIY開始
まず扉を取り付けたい場所の両端に、ラブリコで2×4材を設置する。
最初は大体の場所で良いので、立てかけよう。
しっかりとラブリコのジャッキを回し、両脇に設置するとこの様になる。
扉は日々開け閉めする為、多少なりとも負荷がかかってくる。
倒れる危険性を考え、しっかりと2×4材はきつく締める事。
この時点で早くも感じたのが、やっぱりDIYにして良かったという事。
既製品のプラスチック感が無く、自身らで事前にDIYしたクッションフロアとも質感的に調和がとれている。
続いてラワン材を1本ずつ組み合わせ、こういった感じで長方形になるように組み合わせる。
この外枠を2つ作り、間をトリカルネットで挟む事で扉になる。
その為この木材外枠が計2個必要になるので、ラワン材は長辺4本、短辺4本を購入する事になる。
それぞれ設置場所の長さをしっかり計り、ホームセンターで購入してこよう。
(この時、扉下に取りつけるキャスターを考慮し、扉の全体像や長さを計測するのを忘れずに)
サイドから見るとこんな感じ。
今回使用したラワン材は18×18mmの太さ。
いきなりビス止めして割れる危険性も考えられるため、一度ドリルで穴を空けてガイドを作り、その後ビスで止める。
ビス止めするとこんな感じになる。
ラワン材はしなやかだが衝撃に強い訳でもないので、これだけ長い長方形だと持った際などに歪む。
誤って折ってしまったりしない様にしよう。
ラワン材を長方形にしたら、トリカルネットを上に被せる。
こんな感じで少し余らせた状態で被せ、上からもう一つのラワン材枠で挟み込む。
この状態でラワン材同士をビス止めする事で、扉が完成する事になる。
こちらも穴を空けた後、ビスで止めていく。
ネットがズレるトラブルを防ぐため、計20か所程度ビス止めした。
その後ハサミで余分な箇所のトリカルネットを切り取っていく。
トリカルネットは加工が容易な為、扱いやすかった。
しかしハサミで切ると、角度の問題でどうしてもネットの端が残ってしまう。
これがネットの性質上少し固めな飛び出しとなっている。
扉の外枠は完成後に直接触れる箇所でもないが、何となくキレイに取りたかったのでカッターで切る事に。
カッターでカットするとかなりキレイにネットを落とすことが出来た。
始めからカッターで作業する事をお勧めする。
続いて扉の真ん中部分に、持ち手を取り付ける。
予め購入しておいたラワン材を木工用ボンドで取り付ける。
その後ビス止めして、取っ手の完成だ。
少し片側を余分に出しているのは、扉が奥側にいってしまわないようストッパーの役割を果たす目的の為だ。
完成した扉を、一旦設置場所にあてがってみる。
入るかどうかやや心配だったが、入ってくれた。
計算したものの、一つ間違うと失敗してしまうのがDIY。事前計測はしっかり行おう。
飛び出した取っ手部分はこういった感じで2×4材にぶつかり、扉がこれ以上奥に行かない様になっている。簡易的だが、充分だ。
トリカルネットは目の粗さが幾つかあり、今回行ったホームセンターには1種類しか販売が無かった。
やや心配だったが、向こう側は充分見通せる。
その後扉の下側にキャスターを取り付ける。
今回は中心と端に計2か所取り付けてみた。
その後扉の片側に丁番を取り付ける為、ドリルで穴あけする。
ネジ止めして丁番を上下2か所、丁度良い箇所に取り付ける。
扉に取り付けた丁番を、予め設置していた2×4材に取り付ける。
この時左右どちらに取り付けるかで、扉の開き具合が変わってくる。
上記写真で分かりずらいが、手前側にリビングへの扉がある。
つまり向かって左側を開くようにしてしまうと、かなり使い勝手が悪い。
生活導線をしっかり考えた上で、開き方を決めよう。
扉がついたので、頭上部分の空間を同様の方法で埋める。
ラワン材とネットで小さな扉を作製し、取り付ける。
一度工程を覚えてしまえば、早い作業だ。
この時上下の隙間から猫が脱走してしまわない様に、長さをしっかり計って作製する必要がある。
猫はただでさえ隙間を通り抜け、パニック状態の時は恐ろしいスピードで動き回る。
実際このDIY作成後に一度猫が走り回り、いとも簡単に爪をネットに引っかけながら上り詰めた。
少しでも大きさが不足していれば、扉を2、3秒程度で突破していた。
自分たちが使用するのみであれば「これでいいか」も良いかと思うが、猫が関わるDIYは「絶対安全」が第一だ。
上部は開閉する必要が無いので、両脇の2×4材にそのまま取り付けした。
思い切り引っ張ってみて、安全確認。
そして最後の工程だ。
扉が丁度締まり切った向こう側に、マグネット式のストッパーを取り付けた。
扉側にマグネットを取り付ければ、締まった際に柱側と接地して固定される仕組みだ。
こんな感じだが…
1つでは磁力が弱すぎて外れてしまった。
計3個取り付け、強力にしてみた。
これでかなり接地力が上がり、ストッパーも完成だ。
猫の脱走防止扉 DIY完成
という訳で、猫の脱走防止扉DIYが完成した。
見た目がかなり部屋の感じと調和してくれて、思った通りの出来になった。
床のダークブラウンとも、上手く馴染んでくれている。
プラスチックには出せない味が出ている。
キャスターを取りつけた扉を実際動かしてみる。
スムーズにキャスターが稼働してくれた。
キャスターは2個で充分そうだ。
上部もキレイに取り付けが出来た。
隙間も猫の大きさを考え、ギリギリ通り抜けられない幅だ。
何より今回の収穫はトリカルネットの発見。
ハサミやカッターで簡単に加工でき、かなり軽量で安価だったが、強度はしっかりしている。
まだ猫は激突していないが、上記写真の様な引っかきに対しては強そうな触り心地をしている。
ネットは他のDIYでも何かに使えそうだ。
階段下から見上げるとこんな感じ。
視認性は保てながらも、しっかりとした木製感が心地よい出来だ。
今回のDIYでかかった費用
因みに気になるDIYの総額費用。最終的に以下の通りとなった。
合計8,650円
という結果になった。
既存品であれば以下の様なタイプであっても1万円以上かかる。
やはり自由度が高く費用も抑えられ、自身の家のインテリアに合わせられるDIYは、満足度が高くコスト面も抑えられた。
ぜひ大きめの扉を検討していて少しでも費用を抑えたい場合は、愛猫の為にDIYしてみるのはどうだろうか。
猫の脱走防止扉DIYを終えて
今回実際にDIYをしてみての感想としては、かなり大満足という事。
猫を飼うならば安全性を最優先に考えたい。
しかし既製品の場合デザインや大きさ、家の感じに合うかなど、様々な条件が重なりなかなか丁度良い物は見つからない。
その点DIYであれば感じ良い木製扉が作ることができ、引っ越した先でもゴミにならず木材の変更などで流用できる場合がある。
何より自身で愛猫の為に手をかけるという時間とモノが、その後の生活や一緒に過ごす時間を豊かにしてくれるだろう。
すぐに便利な物を手に入れるのではなく、時間と少しの手間をかけて、賃貸でも猫との生活が楽しくなるようなモノづくりをしてみてはどうだろうか。
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