僕がこの無印良品のDC扇風機に出会ったのは2017年の夏。
この年の7月はとにかく暑かった。
梅雨明け前後には3週間近く30℃を越して、連日うだるような暑さが続いていた。
そんな中、運悪く壊れてしまった我が家の扇風機。
サーキュレーターでは限界があるし、冷房をガンガンかけ続けるのも体に悪い。
そんな運の悪い夏が始まったかに思えた日、僕は無印良品のDC扇風機に出会った。
無印良品のDC扇風機を購入した理由
やっぱり扇風機は一家に1台あるべきだ。
そんな事を自分に言い聞かせながら、壊れた扇風機の替えを探しに僕は家電量販店にいた。
家電量販店に並ぶ、最新式の扇風機たち。
同じように暑さにやられたであろう方々が、熱心に店員さんに話をしていた。
僕は価格.comなどでおおかた目星をつけていた扇風機を実際見に来て、貯まっていたヨドバシカメラのポイントで今日買おうと決意していた。
しかし、何か違う…
確かにどれも涼しい。機能も申し分ない。けれど…
デザインが惜しい。
どれもあと少しだけ惜しい物ばかり。
どうしてこの部分が凸凹になっていたり、盤面が目立つようにブルーでポイントカラーリングされていたり、全体的にモノトーンシックに仕上がっていたりするものばかり。
違う…なぜこの部分をこうしてしまったんだ…
最後の最後でデザインに納得がいかず、僕は意気揚々と入ったはずのヨドバシカメラを後にした。
その帰りに、お茶のパックが切れていたことを思い出し、僕は無印良品に立ち寄った。
僕はそこで、ある一つの扇風機に出会った。
無印良品のDC扇風機だ。
デザインが完全に僕の求めている物に合致していた。
光沢のない白、本体と調和のとれたボタンデザイン、シンプルなフォルム。
価格は31,900円と高い。DCモーターを採用していればこの程度なのかもしれないが…
ハッキリ言って扇風機にデザインなんて求めるのが間違ってるのかもしれないが、僕は一応家のインテリアは柔らかく感じの良い見た目で統一したいと思っている。それをいとも簡単に壊すのが白物家電であって、毎回家電選びは慎重になる。
けれど僕は次の瞬間には店員さんを見つけて、在庫があるか確認してもらっていた。
無印良品のDC扇風機 3つの良い所
そう、僕はあのまま扇風機を購入して帰った。
そんな僕がこの扇風機を3年間使い倒した感想をここに記す。
僕がこのDC扇風機に惹かれて購入した理由は、大きく分けて3つある。
インテリアと調和したデザイン
僕が一番気に入っているのはやはりこのデザイン。
部屋の雰囲気を邪魔しない、無印良品らしいシンプルなフォルム。
どうしても家電コーナーに並んでいる扇風機は、デザインがあと一歩だった。
昔ながらにプラスチッキーだったり、余計な配色が施してあったり、妙に凹凸があったり…
機能面は申し分ないのだろうが、リビングに置いて常に目にすることになる扇風機ならばやはりデザインにはこだわりたい。
バルミューダの扇風機などはデザイン性能共に申し分なかったが、なにせ4万クラスの価格で大きく予算をオーバーしていた。
その点この無印良品のDC扇風機は、量販店で並んでいる扇風機の様な無駄がない。
本当にノイズが無く、部屋の雰囲気に馴染んでくれる。
白物家電は多くの機能を積めば積むほど、そのフォルムはごつごつしてくる。
家の中にガンダムをたくさん配置しているみたいになってくるので、僕にとってノイズの無いデザインは必要だった。
扇風機だから基本風を吹かしてくれればいいのだ。32段階風量切替とかそんな大層な機能は必要ない。これまで30年間生きてきて扇風機の風量に、32段階のシチュエーション希望を馳せた事は無い。
僕がいくつか持っている家電の中で、有名デザイナーの深澤直人さんのプロダクトがある。
以前紹介したこのライトも、その一つだ。
そんな深澤さんは「家電が人間に体に近づくほど、丸い方が馴染みやすい」という考えを語っている。確かにそうだ。角は基本的の自分の方に向いていてほしくないし、丸みがある方が触りやすい。
親しみが生まれ、空間に調和がもたらされる。
このDC扇風機は深澤氏のデザインではないが、そんな考えに近いイメージでプロダクトされたのではないかと考える。
綺麗な丸の台座上に、これまた丸いボタン。
過度に目立つでも凹凸があるでもなく、必要最低限の数。
それぞれのボタンにはわかりやすいアイコンが振っており、様々な人が使いやすいようなユニバーサルなデザインになっている。ライトも黄色く視認性が高い。
リモコンも付いていて、しっかりと収納する場所も付いている。
リモコンでほとんどの作業が行えるので、個人的にかなりリモコンを使っている。便利だ。
夏しか見る事のない季節的な家電だが、やっぱり見た目は自分の満足がいくものを選びたい。
無印良品のDC扇風機は、そんなわがままな僕の欲を満たしてくれた。
驚くほどの静かさ
そしてこのDC扇風機は、驚くほど静かだ。
その理由は、製品名称にもついている「DCモーター」のおかげ。(後述)
風量は5段階で、一番小さい風量では扇風機に耳を当てがらないと音が聞こえない。
3でも正直近くにいてやっと聞こえるか聞こえないか程度のレベルだ。
5はさすがに「ブオオオオオオンンン…」と聞こえるが、この風量でこの音の小ささは画期的だ。
下記に実際扇風機を稼働した動画を載せているので、参考にしていただきたい。
僕はエアコンの温度を少し高めにして、扇風機を補助として部屋の温度調節を行っていた。
しかし正直家電を二つもつけていると、音はそれなりに鳴る。風量を強めれば尚更だ。
その点このDC扇風機の静音性はかなり嬉しいポイントだった。
直接体に風を当てず部屋の空気拡散で夜につける時もあるが、そんな時に重宝している。
「音がしない」というよりは「気にならない」というイメージだ。
生活の中でゆったりとリラックスしたい時など、この静音性能は嬉しいポイントだった。
首振り機能性の高さ
そして最後に、首振り機能の性能が高い点にも注目したい。
大体無印の店内でこの扇風機を見ている人は、この真上に首を振る動きを見ていることが多い気がする。僕も漏れなくその一人だった。
左右の首振り角度は180°、下の首振り角度は、下方向10°で上方向90°だ。
左右上下の動きを組み合わせると、かなりアクロバティックに動いてくれる。
もちろん人の体に風を直接当て続けると良くないので、この首振り機能は頻繁に使っている。
下記の動画で首振りの様子を撮影している。
なにより空気攪拌において非常に大きな力を発揮してくれる。
僕が購入したのは丁度梅雨明けで、まだ湿った空気が部屋に滞留する時期だった。
そんな時期の部屋干しなどにも重宝した。除湿器と組み合わせれば、乾いた空気が部屋全体に行き渡るので、部屋干しでもかなり早く洗濯物が乾いた。
同じ攪拌の原理で、冷暖房効果も大幅にアップする。
真上に向ければ空気の流れは自然に下に降りてくるので、エアコンの効果を強める事ができる。
扇風機の電気代が安いうえに、家の冷暖房家電の省エネにも一役買ってくれる。
部屋に一定の空気の流れがあるだけで不快感はかなり無くなるので、夏は常に扇風機をつけていた。
この扇風機1台で生活の質が変わるので、本当に購入して良かった。
電気代について
この扇風機が注目されている点として、電気代の面がある。
この扇風機はAC方式(交流)ではなくDC方式(直流)のモーターを使用しているので、交流より大きな電力を扱えるのが特徴。つまり電気代がかなりお得になる。
電気代について知らべてみたところ、ACは1時間で1円(風量強の場合)で、DCはその1/10だそうだ。
つまりDC扇風機は、1日10時間つけていたとしても1円という計算。
しかし電気代が安いという売り込みに対しては、いささか疑問点が付く。
この料金の計算だと仮にACモーター製が1万円、DCモーター製が3万円で365日使用し続けたとしても、5~6年程度でやっと元が取れる。
いくら通常の電気代がACモーターに比べて1/10だったとしても、ハッキリ言ってDCモーター製の扇風機の電気代に良さを感じて購入するのはおススメできない。
DCモーターの電気代はあったらいいなぐらいのポイントと考えた方が良く、電気代が安いからいい!と変に購買意欲を上げてしまうと後で後悔すると感じる。
メンテナンスや外観、他機能について
正面から見た写真。シンプルで理性的だ。
本体下に留め具が付いており、ここを引くと前面部が取り外せる。
このような感じ、構造的には簡単だ。
羽が特徴的な形をしていて飛行機の翼などで採用されるウィングレット形状が採用されている。
この羽の形が風の渦の変動を抑え、運転音を低減する効果をもたらす。
羽部も取り外すことができ、掃除も簡単に手が届く。
後ろは持ち部分がついているが、可動部以外はシンプルなつくり。
後部のボタンを押しながら、ポールから上に引き抜くと分離する。
季節が終わって、かなり小さくなるので収納する際に便利だ。
真ん中のポールを抜くと台座部と羽部分だけで設置できるので、サーキュレーター的な使用が可能。
これなら通年使用する機会がぐっと増える。
もちろん稼働幅は変わらない。小さくとも、空気の攪拌に力を発揮してくれる。
無印良品のDC扇風機を3年使用した感想まとめ
この3年間使用して大きく感じたのは「涼をとる」という目的だけでなく、「生活の質が上がる」ということだ。
ただ涼しい扇風機が欲しいのであれば、多機能なAC扇風機は世の中に多く出ている。
コストパフォーマンスは優秀だし、便利な機能もついていて暑さはしのげる。
実際僕も家電量販店に出向いたときは、ACモーターで機能性の高い扇風機を購入する気でいっぱいだった。
たとえDC扇風機であっても、下記のように価格が抑えめな商品もたくさんある。
3D首振りで直進性の高い風を生み出し、シャープお得意のプラズマクラスターによる消臭機能付きのタイプ。
うちわの様な優しい風を生み出してくれる日立の扇風機。
この様に機能面で考えれば、多くのメーカーが良い物をたくさん出している。
しかしこの無印良品の扇風機は涼しいだけで終わりではなく、夏のライフスタイルそのものが変わる。
デザインが良ければ見た目にも満足するし、周りの家具家電との調和もできる。
静音性が高い事で好きな音楽を楽しんだり、子どもを寝かしつけたり、テレビの音量だって上げなくて済む。
自由自在な首振り性能は冷暖房の補助として効果を発揮し、人の周りに直接あたり続ける風を、自然な風の流れに変えてくれる。
「扇風機は夏だけの家電」という従来のイメージを変え、1年中風の流れを心地よくしてくれる家電という新しい価値をもたらしてくれる。
家電が増える事でノイズが気になったり体調が悪くなったりしては、生活を豊かにするという家電本来の目的が損なわれ、本末転倒だ。
こんな生活ができる様になったら快適だ。という希望を、無印良品のDC扇風機は叶えてくれる。
31,900円という価格は実際高いかもしれないが、生活の質が上がった事を考えれば決して高い買い物ではないということが実感できる。
僕はこの夏も無印良品の扇風機を使って、快適な時間を過ごしたいと思う。
今日紹介した無印良品 DC扇風機はこちらから。
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