岡崎体育
今や音楽のみならず、ドラマにCMに映画にMCに引っ張りだこ!
その人気は一体どこから来るんでしょうか?
彼の凄さの秘密を追っていきます!
【岡崎体育の凄さ】マルチステータス
岡崎体育がどんなアーティストかというのはこのブログでも何度か話してきた。
この人改めて凄い。
どこに凄みを感じるかというと、このレヴェルの才能を持った人間がこの後の日本エンタメ会にどれだけ出てくるかという事。
岡崎体育の本業はシンガーソングライターだ。本人もそこはエキスパートと自負している。
その他にも活動は多岐に渡り
他アーティストのプロデュース、バラエティ番組のMC、CM出演、ラジオパーソナリティ、俳優…
目まぐるしく活動の幅を広げているというより、その才能に惹かれオファーがきているという状態だと感じる。
音楽が本業であり、俳優なんて大した役や演技ではないと思われるだろう。
けれど出演しているテレビドラマや映画作品を観ると、そうではない事がわかる。
勿論彼に演技のキャリアがある訳でも無いし、演技力が高いとは思わない。
しかし彼の演技が周りの空気を壊すことなく、話に馴染んでいるのは何故か。
それは『っぽい』から
「あ~こういう奴いるいる!俺の周りでもいるよ!」という既視感。
僕達の生活の中で実際に見る様なリアルで独特な人間像を、ナチュラルに体現している。
もちろん演出側が岡崎体育に合った様なキャラクターに対しオファーしている事は間違いない。
けれど僕らがそのキャラクターに対し共感や既視感を持つのは、僕達がそいつに何か言いたい事があるからだ。
職場に何かと居がちなウザったい同僚。
どこか憎めない太った風貌で敵に回すと厄介で面倒な相手。
たまに見せるマスコットの様な笑顔と挙動。
そのどれもが僕達の周りに必ず一人は居るようなリアルな人間で在り、僕達はそいつに何か言いたい。
それは賛辞のリスペクトなのか、ストレスを含んだ毒なのか。
だから僕らは彼を目で追ってしまう。注目してしまう。短いシーンやセリフかもしれないが、岡崎体育が演じているその人間を。
もう一つの理由として彼、岡崎体育の観察力の凄さにある。
彼はソロプロジェクトである岡崎体育の活動をするにあたり、SNSを中心とした宣伝や自身のブランディングをこなし、ここまでの存在となった。
SNSの投稿や楽曲中の歌詞からもわかる様に、彼は人間や世の中の動きを注意深く観察している。
自身を一躍有名にした楽曲『MUSIC VIDEO』があるあるネタを主としている様に、周りにある事象や人間の行動を分析し、エンターテイメントとして僕らに心躍る音楽を提供し続けてくれている。
岡崎体育 『MUSIC VIDEO』Music Video
あるあるネタは音楽にも深く影響しており『ミュージックPVでの、他アーティストを思わせるようなパロディ(オマージュ)』『いかにも意味がありそうな言い回しの歌詞』など、彼の人気の一つになっている。
人の笑いや興味を引ける人間は、人の事をよく見ている。
何が人の興味を引き、求められるのかを知るためだ。
彼は単に面白いのではなく、そこにはしっかりとした分析や裏付けがあっての発言や表現という事。
出演した映画作品に対し寄せたコメントで彼はこう語っている。
ついに岡崎体育の憎らし&愛らしフェイスが劇場のスクリーンに映し出されるときが来ました。今後の僕の宿題として、アカデミー賞の新人賞にノミネートされたけど受賞には至らず、受賞された俳優さんに少し悔しさの見え隠れがある笑顔で賛辞を送るやつの練習しときます。
https://www.cinra.net/news/20181212-mahjonghoroki
CINRA,NET 岡崎体育が映画『麻雀放浪記2020』出演 斎藤工を翻弄するオタクテロリスト 記事内より引用
これだ。そんな所見てるやついねえよ笑
なんだこの探そうと意識しないと見つけられない様な細かすぎるネタは。なだき武のディランマッケイかよ。
つまり日々こうやって何気ない部分に着眼し、フォーカスし笑いに変換していく。
お笑い芸人の所業である。
【岡崎体育の凄さ】しなやかなメンタリティ
そしてそれを支えるのがメンタリティだ。
彼にとっては自己のコンプレックスやマイナス要素はそこで終わらない。
歌が上手くない→口パクでOK
容姿がひどい→誰が圧縮した肉団子や
デブ→アルバムの曲にも繋がる、キャラ付けできる、痩せネタができる、憶えられやすい、誰が肉団子や
楽器が弾けない→PCで楽曲制作し売れる
容姿がひどい→基本ジャニーズのお約束のライブトロッコをこの容姿でやるギャップ
田舎の実家暮らし→逆手にとって敢えて住み続けブランディング。ネタ化。
容姿がひどい→もはやこの活躍やライブパフォでかっこよく見える。普段はマスコットの様に見える。
彼にとってコンプレックスやマイナス要素は、逆にプラスなのだ。
これも彼の発想力や着眼点があるからこその、逆転の発想なのかも知れない。
とにかく自分の現在のスペックで可能な最大限の努力を惜しまない。
家が実家だからダサいとか、最新の制作機器が無いから良い音楽が出来ないとか、そんな事を理由にはしない。
そこに自分の全てをぶつける。なんなら彼にとっては武器になる。
『彼氏の実家なう』って使っていいよ pic.twitter.com/k3q7jlWVFw
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) April 9, 2017
音楽制作を始めて14年経ちますが初めて買いました。今まで母親のストッキングをマイク風防に代用していましたが、タニシみたいな臭いしてたのでさすがに正規品買いました。 pic.twitter.com/KJ3gma9C9I
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) May 24, 2018
あえてそこで勝負をし、成功に繋げている。
これは簡単に結果論で語れる物ではなく、一つひとつを乗り越えるのに相当な苦労がいると感じる。
現に彼の歌詞には学生時代や下積み時代、そして自分のスペックに対するコンプレックスを元にした言葉や言い回しが多く登場する。
鴨川等間隔 橋の上 見下ろしながら見下される
僕らは街の静かな糸クズ ノリの美しきバッティンフォームや 金田のバイクに憧れたりして 夜がくれば解けていく
ああしたいこうしたいと我が儘で 幼児体系のまんま
だけども投資対効果まぁまぁ Hold me tight please one more
飢えてるんだ血に なってるんだその気に
此方に寄越してくれよその勝者のメンタリティ
I am a 弱者 所詮三下 磨きをかけていく拍車
Oh 弱者 壊して 浅めのターンで張ったリフレクター
常にカーストを意識し相手への劣等感に負けそうになる気持ちを奮い立たせ、自分を卑下しながらプラスの力に転換する能力。
シマウマの中でも比較的凶暴なほうの個体 ピューマに対峙しても大丈夫なくらに示す敵対意識
潜在的にはトップオブザワールド 感覚的にはアカデミー賞
現実的には烏合の衆のそれ以下の以下の以下
容姿や環境に流されない彼の力が、同じ気持ちを持ったリスナーの心を強く掴んで離さない。
だから多くの人に愛される。リスナーは自分の願いや希望を彼に投影して消化する事ができるからだ。
今や彼は弱者の、子供たちの、音楽ファンの希望の光なのだ。
オマージュを超えて
彼は様々な音楽の要素を取り入れ、自身の楽曲に還元している。
それがネタ的に扱われると、パクリだの馬鹿にしているだのと揶揄される。
彼が他のアーティストの楽曲やジャンルをなぞるのは、そこに尊敬の念があるからだ。
誰よりも聴き手として音楽を愛し、そこに対する愛情があるからだ。
あなたが『大嫌いな人の事を、詳しくモノマネしてください』と言われたら、できるだろうか?
恐らくできないですよね。いや、できなくてOKです。笑
彼は徹底して研究し、どう作れば僕たちの琴線に触れるかどうかをわかっているからクオリティの高い楽曲が完成する。
けど彼がやりたい事は、そこに留まらない。
パクリや揶揄したようなネタ音楽でも、他人の音楽性を教科書通りになぞっただけの音楽でもない。
僕は過去をトレースしたいんじゃない
ネタ元があるならもっと自由に裏切りたい
an・an NEWS 岡崎体育、批評家に物申す ページ内より引用
岡崎体育、批評家に物申す「確かに星野源さんにも褒めていただいたけど…」 | ananニュース – マガジンハウス
そう語る彼。
彼は自分だけのオリジナルを求めている。
勿論人間なんて手癖や好きなパターンのコード進行が無意識に反映されてしまう事はよくある。
けれど、なぞる事をしたくない理由。
それは、聴き手に驚いてほしいからだ。
常にワクワクした高ぶる感情を持って欲しいんだ。
音楽は世の中に流れる当たり前の文化だ。
もう目新しい手法など殆どなく、どのメロディーを思い付いてもオマージュだのパクリだの声が聞こえてくる。
そんな中で先人のアイデアを自由な発想で裏切り、僕らに新しい価値観を見せる。誰も開拓していない音楽の道。
それが、彼がこれまでずっと掲げてきた盆地テクノ。BASIN TECHNOなのではないだろうか。
独自の路線を切り開き夢を叶え、今は人々に夢を与え続ける彼。
岡崎体育のこれからが、僕は本当に楽しみでならない。
それでは最後に彼のライブツアーから、希望の肉団子がトロッコで移動する映像をどうぞ。
コメント